奉行にプラスワン
トレーサビリティ、EDI…、流通・卸売業の課題を解決するロット番号管理
●トレーサビリティとは
  トレーサビリティとは「trace(追跡)」と「ability(可能にする)」とを合わせた造語で、2001年に起きたBSE(牛海綿状脳症)問題を契機に、その必要性が強く求められるようになったことは、記憶に新しいところです。
BSEが報道される中で、消費者である私たちが不安になったのは、「どの肉が安全なのかが分からない」ということでした。
実際、当時はBSEに感染した牛が、どの牧場で飼育されたもので、食肉としてどのような流通経路で市場に出荷されたか、その際、どのように加工されていたか、ということが追跡調査できない状況でした。
この対策として、農林水産省は2005年12月に、「どこの牧場で飼育された牛が」「どの業者でどのような肉に加工され」「どの小売店で販売されたか」までが、10桁のコード番号ですべて追跡できる「牛肉トレーサビリティシステム」を導入しました。
もっと私たちに身近な例では、宅配便の追跡サービスが分かりやすいかもしれません。宅配便の伝票についているコード番号を照会すれば、電話やインターネットで、業者に渡した荷物が今、配送センターにあるのか、配送中なのか、配達が完了しているのかをリアルタイムに確認することができます。
以上の例でも分かるように、トレーサビリティとは、製品の生産・流通過程を管理すると同時に、万が一の事態が発生した時、ただちに回収・被害の拡大防止などの対策を行うための仕組みであるといえます。
トレーサビリティを行う上で必要となるのは、まずロット番号の管理です。仕入・在庫・販売を管理し、いつでもその製品の所在が把握できる状態に置いておくことが可能になります。
奉行にプラスワン
先に挙げた食品卸売業や医療機器卸売業など人の生命に直接関係する業種では、行政からの要請もあり、このロット番号管理によるトレーサビリティの整備が求められています。
ロット番号による製品管理は、安全上の問題だけでなく、「いつ、どこから、いくらで仕入れて」、「自社倉庫に、いつからいつまで保管されて」、「いつ、どこに、いくらで販売したのか」という細かい管理を可能にします。これは、業務工数やコストの削減にもつながります。
とくに製造業・流通・卸売業ではEDI(Electronic Data Interchange=受発注や出入荷、決済の電子化)が進みつつあり、今後ますますロット番号管理が求められます。多くの卸売業の管理担当者からは、現在行っている業務の課題・感じている必要性として、次のような意見が多く挙げられました。
●ロット管理はしているが、台帳に手書きで運用している
●現在は品番管理だが、行政や取引先の要請が強く、ロット管理に取り組む時期に来ている
●先入先出の徹底を図り、不良在庫をなくしたい
●仕入情報・売上情報をリアルタイムに検索したい
●在庫出荷の売上原価を仕入原価で把握し、粗利管理を徹底したい
●一つの品番で「○○向け在庫」という顧客別在庫管理を行いたい
●在庫評価を会計評価だけでなく、実質評価したい
  つまり、ロット番号管理の必要性・有効性は認識していながらも、なかなか導入に至っていないというのが実情のようです。

●ロット番号管理による可能性
  奉行連動ソリューションとして高い評価をいただいている「ロット番号管理キット」は、実務レベルのリアルなご要望にお応えできるシステムです。
商奉行・蔵奉行と連動し、仕入伝票を起票する際に、「ロット番号・使用期限・備考」の各項目を登録することができ、在庫管理が効率化するとともに、納品書へのロット番号印字によって、自社管理だけでなく取引先へのトレーサビリティにも対応することができます。
また、入庫した製品が個別のロット番号で管理されるので、各製品の在庫数量・原価をリアルタイムに把握することができ、倉庫管理の効率化を図ることができます。
さらに、商品の出荷や注文に対し、ロット番号をもとに、商品別・得意先別などの状況に応じたピッキングリストを作成することができます。使用期限も管理されているので、先入先出の出荷指示も容易になり、出荷業務の効率化を実現することができます。
ロット番号管理やそれに伴うトレーサビリティの実現は、とくに製造業・流通・卸売業を行う企業にとって、今後避けては通れない課題であるといえます。もし、左の囲み記事に掲げた業務上の課題をお持ちでしたら、「ロット番号管理キット」の導入検討をしてみてはいかがでしょうか。
システムの導入にあたっては、今までのTQC(Total Quality Control=全社的品質管理)との擦り合わせや、関連部署との調整が不可欠となるため、現在の業務フロー全体の見直しが必要となります。
その際には、業務体制の見直しに関しても最適なご提案をさせていただきますので、ぜひご相談ください。
ロット番号管理キットの注目ポイント!
●ロット番号単位に管理が可能 ●ピッキングリストの出力 ●ロット番号別の粗利管理を実現
ロット番号別の在庫管理、使用期限管理、入荷出荷のトレーサビリティにも対応し、業務フローの効率化を実現します。
この製品の詳細ページへ
●奉行EXPRESS 2006年秋号より