基本を極めるビジネスの心得
ビジネスパーソンに欠かせない危機管理意識〜インフルエンザ・風邪編〜
インフルエンザや風邪などウイルス感染によって発生する疾患の場合、
拡大を防ぐために企業レベルでの対策が必要です。
しかし最も大切なのは、ビジネスパーソン個人の予防に対する日常的な心がけです。
人から人にうつる病気に対する予防は、もはやビジネスマナーとなっています。
 インフルエンザや風邪は、ウイルス感染によって発生する病気です。企業の場合、一人の社員が感染してしまうと、オフィス全体にウイルスが蔓延し感染拡大の恐れがあります。また、社員が感染すると日常業務が停滞し、お客様に大きな迷惑をかけることになります。今回のポイントは、「感染しないため」と「他人にうつさないため」のビジネスマナーです。企業は危機管理の面から、常に次の4つの対策を心がけましょう。
ビジネスの心得
 また、ビジネスパーソン個人も感染予防対策として「マスク」「手洗い」「うがい」「消毒」を徹底する必要があります。
 まず「マスク」です。1ミリの5000分の1以上の大きさで飛び散るインフルエンザウイルスは、マスクのフィルターである程度シャットアウトできます。そのため、鼻や口をマスクで覆っていれば、大きく呼吸してもウイルスの進入を防ぐことができます。また、インフルエンザにかかってしまった場合には、咳やくしゃみによって気道から体外にウイルスが分散するのを食い止めてくれます。ちなみに、マスクをしていない時に咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチなどで口と鼻を押さえ、相手から顔をそむけるのが社会人の「咳エチケット」です。これは他人に不快感を与えないためのマナーといえるでしょう。もちろん、ハンカチやポケットティッシュを携帯することは基本のビジネスマナーです。
 次に「うがい」です。うがいは鼻やのどから侵入したウイルスが呼吸器粘膜の細胞内で増殖を始める前に流し出すことができます。
 そして「手洗い」と「消毒」です。手洗いで手指に付着したウイルスを洗い流し、流しきれなかったウイルスを消毒で殺菌・抗菌します。手洗いと消毒はインフルエンザだけでなく、風邪の予防としても効果的です。風邪は接触感染によるもので、風邪を引いている人が触れたもの(机や電話、ドアノブやつり革など)と同じものに触れると風邪ウイルスが自分の手にも付着します。その手で鼻や目を触ると粘膜からウイルスに感染してし、風邪を引いてしまいます。オフィスでは、ドアノブ、コピー機、トイレのレバーなど複数の人が触れるものが多くあります。これらに触れた手は都度洗うように意識しましょう。地道なことですが、これがビジネスマナーとなるのです。
 私がCA時代に最も気をつけたことは自己管理でした。飛行機は公共交通機関なので、咳ひとつとってもお客様に不安感を与え、仲間に心配をかけてしまいます。普段からうがい・手洗いを励行し、アルタンスプレーで手指の消毒を心がけました。インフルエンザや風邪などに対する危機管理の心構えとして大切なのは、他人に迷惑をかけないこと。さらに、予防のマナーは来客・接客したお客様を感染から防ぐことにもなります。こうした姿勢が仕事上での信頼関係にもつながるはずです。
●奉行EXPRESS 2010年冬号より