御年賀の時期は「松の内」で、元旦から7日までを言います。しかし、地方によっては15日までを松の内とするところもあります。多くの会社は三が日を休むので、訪問は4日以降7日までにするのが望まれます。しかし、7日までにご挨拶に行くことが難しい場合は、手土産につける熨斗紙(のしがみ)の献辞を『寒中見舞い』とし、15日までにお伺いすれば良いでしょう。御年始のご挨拶をするために松の内に訪問し、手土産を持っていった場合のみ、献辞に『御年賀』と書くことができます。郵送や宅配の場合は御年賀と書くことは許されていません。
年始のご挨拶は、長居しないことを前提に、アポイントメントなしでの訪問が許されています。面会時間は5分〜15分で切り上げるのが目安です。先方と意気投合して話し込んでしまうのは配慮不足です。また、当日電話を一本入れて「これからお玄関先までご挨拶にお伺いしたいと思いますが、2〜3分お時間を頂戴できませんでしょうか」と連絡を入れるのも良いでしょう。お昼の時間帯を避けた午前10時〜午後3時くらいまでの間に訪問するのが最適です。先方がご不在だった場合は、名刺に訪問日時と『謹賀新年』と書き、手土産に添えて受付に預けて来ます。後で手紙を出すか、電話を入れてご挨拶をするようにしましょう。
縁起を大切にする年初めです。服装はいつも以上に気を使い、衣服にシミがないか、スラックスには折り目があるか、靴は磨いてあるかを確認。コート類は先方の社屋に入る前に脱ぎ、上司が同行した場合は、上司のコートも一緒に持ちます。
品物は風呂敷で包んでお持ちするのが正式ですが、紙袋でも差し支えありません。しかし、紙袋ごとお渡しするのは失礼です。先方がお見えになったら即座に起立し、
「旧年は大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。本年も何卒お力添え賜りたく宜しくお願い申し上げます」と挨拶をします。
手土産は、お目にかかってすぐ渡します。紙袋から出しておいた手土産を先ず自分の方に正面がくるように持ちます。それから正面が先方に向くよう右に回し、両手で品物を少し上げる仕草をしてからお渡しします。
「心ばかりではございますが、年の初めのお祝いにお持ちいたしました。お口汚しとは存じますが、ご笑納くださいませ」とお伝えします。紙袋はたたんで持ち帰りましょう。
逆に年始の挨拶でお土産を頂いた場合は、献辞を『松の葉』としてお返しします。お返しの品は、以前では懐紙が使われていましたが、今は一筆箋などが喜ばれます。
爽やかな心遣いが、社内外を問わず評価されることは言うまでもありません。
訪問前の準備 |
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先方の休日を年末の内にそれとなく調べておく |
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手土産は年末の内に用意しておく |
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先方の部署の人数を調べておく |
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常温保存できて、日持ちのするものを選ぶ |
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御年始の手土産はお酒かお菓子が一般的 |
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会社訪問では個別包装のお菓子が重宝されて良い |
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先方の人数より余分に入っているものを選ぶ |
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手土産は縁起の良いものを選ぶ(鯛のお菓子など) |
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最近は5千円が相場だが、3千円でも充分 |
御年始熨斗紙(のしがみ) |
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熨斗紙は包装紙の下にする |
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水引は花結びの5本か7本 |
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献辞は結び目の上に入れる |
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献辞は『御年賀』とする |
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訪問する時だけ『御年賀』という献辞を使える |
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当方の名前は結び目の下に書く |
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個人名の場合はフルネームで書く |
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献辞より当方の名前は小さ目に書く |
※生肉や魚介類を贈る時は熨斗を付けず水引だけです