基本を極めるビジネスの心得
あなたは会社の代表。正しい訪問のマナー
相手が見えていないときこそ気配りを
得意先への訪問は、アポイントメントを取ることからすべてが始まります。最大のポイントは、先方の都合を優先させることです。また、無事にアポイントメントを確約したら終了というわけではありません。どんなに長くなっても一時間程度でスムーズに話ができる準備を整えておきましょう。得意先への訪問は、これらの他にも注意を払わなければならない点が多くあります。次のポイントに注意しながら進めましょう。

アポイントメントの取り方
1 どのような用件で会いたいのかを具体的に話し、所要時間や同行者などを伝える。
2 日程、時間などは相手の都合を優先して決める。
3 役員など高位の方との面会は秘書室を通して申し込む。
4 予定が変更になった場合にはすぐに連絡を取り別日程を入れる。

アポイントメントの取得後
1 約束の前日に確認の連絡を入れておく。
2 初めての訪問先の場合には交通アクセス、所要時間を調べておく。
3 訪問先の正式社名、所在地、電話番号、担当者名は確認しておく。
4 訪問先に渡すものは会社の封筒で持参する。
5 名刺が不足していないか、資料や身だしなみに不備は無いかをチェックする。
6 遅れそうな場合には早めに連絡を入れる。「5分ぐらいならいいだろう」は厳禁!
7 お土産を持参する場合、簡単に食べられる個別包装されたもの(クッキーやおせんべいなど)を用意。訪問先近辺では買わないように気をつけましょう。

次に訪問時の対応です。早めに到着し玄関に入る前に身だしなみをチェックします(冬場は玄関前でコートを脱ぎます)。そして携帯電話の電源をOFFにすることも忘れずに。受付では自分の会社名、名前、訪問相手の名前、アポイントメントの有無を告げて取り次いでもらいます。受付がない場合には、入り口近くの方に「失礼いたします」と声をかけましょう。
訪問先の相手に好印象を与えるポイントは面会の前後にあります。商談や打ち合わせでは、言葉遣いや名刺の受け渡しなど、細心の注意を払うのは当然。しかし最も重要なのは、担当者が直接目にすることのないシーンでいかに気を配れるかです。訪問先ですれ違う方々には、挨拶や会釈を必ず行いましょう。仕事と直接関係のない方の前できちんとしているかどうかも、仕事が「できる」、「できない」の差に繋がります。商談に入る前に「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」という謝辞も忘れないようにしましょう。
また、何度も訪問している会社では、気が緩みがちです。しかし、過去に何度も訪問している会社だからといって直接担当者のところに向かうことのないように、必ず受付を通しましょう。さらに、入館証をきちんとつけない、「アポ」などの略語を使うなど、慣れからくる横柄な態度は、明らかに先方の印象を悪くします。担当者とは、あくまでもビジネス上の関係です。適度な緊張感を保って接しましょう。
最後まであなたが会社を代表しているということを忘れずに。訪問後、面会のお礼の一報を入れ、次回のアポイントメントに関する打診をしましょう。心遣いをきちんとできることが社会人としての正しい訪問のマナーなのです。
●奉行EXPRESS 2008年夏号より