基本を極めるビジネスの心得
ビジネスパーソンの必携アイテム「携帯デジタルツール」の使用マナー
モバイルパソコンやタブレットパソコン、スマートフォンなどのデジタルツールを持ち歩くのは当たり前の時代。
これらデジタルツールは確かに便利ですが、反面、携帯電話ほど使用マナーに気を配っている人が少ないのも事実です。
公共の場で使うなら、やはりマナーは欠かせないもの。
今回は「携帯デジタルツール使用マナー」についてご紹介します。
 携帯電話の普及に伴い、その使用マナーも広く一般に浸透するようになりましたが、公共の場での携帯デジタルツールの使用マナーについては、厳密な制約は定められていません。そこで今回は、ビジネスパーソンを中心に使用率が向上しているモバイルパソコンやタブレットパソコン、スマートフォンといった「携帯デジタルツールの使用マナー」に目を向けてみましょう。
 皆さんの携帯デジタルツールに対する使用マナーの意識はいかがでしょうか。例えば電車内のアナウンスでは、頻繁に携帯電話の通話やメールの使用に関する注意を促していますが、携帯デジタルツールに関しては触れられていないのがほとんどです。注意が喚起されていないと、意識も回りません。ですが、携帯デジタルツールの使用頻度が高いビジネスパーソンなら、誰かに言われずとも率先してマナーを実行し、他人への思いやりに人一倍気を配るスマートさを持ちたいですね。
 では、具体的にどのようなマナーに気を配るべきなのでしょうか。まず、あなたが持っている携帯デジタルツールの利用シーンを思い浮かべてください。電車の中、公共施設、飲食店などが挙げられますね。そこで、注意したい第一のポイントは「」です。携帯電話の使用マナーで厳しく注意されるのも、受信音や通話の音量が大半。携帯デジタルツールにおいても、電子音やキーを打つ音は雑音です。使用する際は、バイブレーションやミュートモードに設定しておき、キーを打つときもタッチの強さに注意しましょう。
 第二のポイントは「明るさ」です。大胆に覗き見する人は少ないものの、液晶画面の光で目がチカチカする、暗い場所では迷惑になるなどの影響を周りに与えます。機器の照明設定を暗めにする、フィルムを貼るといった工夫をしましょう。また、公共の場に相応しくないインターネットサイトを見ることも、スマートなビジネスパーソンとして慎みたいですね。
 第三のポイントは「動作」です。電車内の座席が混雑している場合には、機器の使用自体を控えた方が無難です。どんな小さな機器でも、操作するときは腕や体も動いてしまいます。隣に座る人に邪魔な思いをさせたり、不快にさせたり、トラブルの原因にもなりかねないので、どうしても使用しなければならないときは、電車を降りて使用しましょう。
 最近は、パソコンの持ち込み用にコンセントが設けられている場所が多くなりました。利用者としては非常に便利ですが、あまり長時間使い続けるのも考えものです。他の利用者の人数や様子をうかがいながら、第四のポイントである「譲り合う気持ち」を忘れずに。
 そして、第五のポイントが「機密情報の保護」です。ビジネスで使う携帯デジタルツールには、漏えい厳禁の重要な情報が入っていることが多いので、万が一、情報が盗まれることがあっては、会社の危機的状況になりかねません。さまざまなセキュリティソフトや各種サービスで対策が取られているとはいえ、どこでどんな情報が盗まれるかわかりません。常に細心の注意を払い、その対策を惜しまないことが重要です。
 自己の都合だけで利用することは、ビジネスパーソンのマナーに反すること。周りに迷惑をかけずに仕事をこなすことこそ、「できる社会人」の証明です。
●奉行EXPRESS 2011年夏号より