サーバとは、端的に言うと「サービスを提供するコンピュータ」です。代表的なサーバに、メールの送受信サービスを提供する「メールサーバ」、インターネットのウェブページ閲覧に関するサービスを提供する「ウェブサーバ」、プリンタを共有するサービスを提供する「プリントサーバ」などがあります。最近では、音声や動画配信サービスをよく目にするようになりましたが、これも「ストリーミングサーバ」などのサーバが活躍しています。メールもインターネットもプリンタも、仕事に欠かせないサービスです。普段サーバの存在を意識していなくても、皆さんとサーバは切っても切れない縁でつながっているのです。
サーバを構築するメリットに「集中管理」と「安定したサービスの提供」が挙げられます。例えば、作成したあるファイルについて考えてみましょう。それぞれの
クライアント★(サービスを受けるコンピュータ)で管理した場合、複数の人とデータを共有するのに毎回メールで送受信したり、大事なファイルをうっかり消去してしまったり、データを今すぐ見たいのに、手元に届くまで時間がかかったりと、様々な不都合が生じます。それを解消してくれるのがサーバなのです。データをサーバにまとめて保存することができ、集中管理もしやすくなり、ユーザーはいつでもサービスを受けられます。ちなみにサーバは24時間365日稼働が基本です。
規模を問わず、サーバは企業にとって欠かせない存在です。サービスの性能は年々高まり、サービスは細分化され、各社各様、様々な特長を有してリリースされています。これまで主流だった「
オンプレミス★」(ここでは
物理サーバ★の自社運用を指す)に加えて、トレンドが「
クラウド★」(ここでは
パブリッククラウド★を指す)にシフトしてきているのも見逃せません。クラウドとオンプレミスにはそれぞれメリット・デメリットがあるので、それらを見極めて自社に適したサーバを選ぶことが、サーバ導入成功の秘訣と言えます。
クライアント★他のコンピュータやソフトウェアからサービスを受ける側のコンピュータまたはソフトウエア。提供する側がサーバです。
物理サーバ★物理的実体としてのサーバそのもののこと。
オンプレミス★企業が情報システムの配置と運用を自社の管理下にある設備で行うこと。自社運用。クラウドなどインターネットを通じた社外のシステムやサービスの利用形態が増えたことで、それらと区別するために呼ばれるようになりました。
クラウド(クラウドコンピューティング)★インターネット経由で提供されるコンピュータ資源やサービスを利用することで、様々な処理や機能を実現すること。
パブリッククラウド★データセンターに置かれたコンピュータ資源を共有し、不特定多数で共有する利用実態のこと。クラウドの一般的な利用形態。
サーバの導入が決まった後、最初に投げかけられるのが「クラウドとオンプレミスのどちらの運用方法を採用するか」という問いです。クラウドとオンプレミスにはメリット・デメリットがあり、どちらが優れていて、どちらが劣っているということはありません。「今はクラウドが流行っているから」や「今までオンプレミスだったから」などとは考えず、しっかりと自社の意図に合ったサーバを選ぶことが求められます。