健康でいこう!
体のゆがみや体調不良の原因になる頭蓋骨のズレを直してバランスのよい健康的な体に
頭蓋骨がゆがむと、体全体のバランスが崩れて首痛・腰痛などを引き起こします。また、脳や神経系・ホルモンバランスにも直接的な影響を与え、思考や気力を低下させたり、痛みや血行不良などを引き起こしたり、不定愁訴の原因となることもあります。日頃から体のバランスを意識することが健康づくりの第一歩です。 整体師/公認会計士(米国)
整体サロン「べくとるわーくす」代表
http://vector-works.com/
中根 忍(Nakane Shinobu)さん
誤った歯列矯正により頭痛などに悩まされた経験から、物理学を応用した方法で「ゆがみ」を調整し、カラダを自然な状態に戻す整体を開発。現在は、ゆがみの要となる頭蓋骨・顔面骨の調整を重視した全身の整体施術を行っている。医療機関とも提携し、咬み合わせや呼吸法による体と顔のゆがみについても研究し、『「ゆがみ」の根本原因からの解消』を提唱。
体調不良の原因に頭蓋骨のゆがみが関係
医療機関と併せてチェック
イメージ1  体がゆがむ原因は、大きく分けると2つあります。1つは不正な咬み合わせや睡眠中や無意識時のくいしばり、日常の生活習慣による癖や姿勢、激しいスポーツなど偏りのある運動や内臓の疾患などにより生じるバランスの乱れによるもの、2つめは交通事故や怪我など、衝撃によるものです。特に、前者のバランスのゆがみには、あまり意識することのない「頭蓋骨のゆがみ」が重要になります。
 頭蓋骨は、大きく分けて脳頭蓋と顔面頭蓋があり、23個の骨で縫合により組み合わさっているため、姿勢の悪さや癖、不正咬合によって縫合部分が簡単にズレてしまいます。顎がズレていたり、眉・目・口、耳の左右の高さなどが違っている場合は、頭蓋骨がゆがんでいると考えてよいでしょう。頭蓋骨のゆがみによる症状は、顎関節症などの疾患も含め、ほとんどすべての不定愁訴といっても過言ではありません。なぜなら、「脳のケース」である頭蓋骨がゆがむことで、全身の筋・骨格バランスが崩れるだけでなく、脳を圧迫してしまうからです。慢性的な酸欠や血行不良、頭痛・肩こり・首・背中・腰の痛み、冷え性、鼻づまり、神経の圧迫による顔・手足のしびれ、咬み合わせの不快感、めまいなどさまざまです。自律神経の中枢である間脳に影響を及ぼすと、自律神経失調症のほか、ホルモンのバランスを乱して、食欲低下や睡眠障害、精神的不安定や集中力の低下を引き起こしたりします。女性の場合は、婦人科系の病気にも影響します。また、顔のゆがみは、美容面・心理面にも悪影響を及ぼします。これらの症状はもちろん頭蓋骨のゆがみがすべての原因ではありませんが、医療機関で要因が見つからなかった場合、一度整体施術を試すのもよいかもしれません。
自然治癒力を高めてゆがみにくい体に
定期的な整体施術で体のメンテナンスを
イメージ2  人間の体は軽いゆがみであればホメオスタシーの働きで、寝ている間に自然と整えられます。しかし40代を過ぎると自己治癒力も衰え始め、特に60代以降の男性は整体を行っても体を調整するのに時間がかかります。男性は比較的筋肉量があるため、筋肉で何とか補おうとしますが、筋力が衰えると一気に骨にかかる負担が大きくなります。一方、女性の場合は、骨盤などゆがみやすい傾向にありますが70代を過ぎても調整しやすいことが多いです。いずれにせよ、ゆがみにくい体を作るためにも、日頃から体の使い方や睡眠の仕方(仰向け寝と鼻呼吸)に気を配ることをお勧めします。睡眠時の姿勢が重要な理由は、頭蓋骨のゆがみの最大の原因が、睡眠時(無意識下)の噛みしめと考えられるからです。睡眠中は、体を修復し、ゆがみをリセットする時間なのですが、ゆがみを増幅させてしまう時間にもなりうるのです。なお、自らが持つ治癒力を高めるためにはストレスや疲れを溜めないことも肝心です。湯船に浸かり、睡眠を効果的にすることが重要です。また縫合を意識しながら洗髪することで、頭蓋骨のゆがみの矯正を助けます。基本的に、頭頸部は非常に繊細ですので、むやみに力をかけたり、首をまわすだけでも頸椎はズレるので、自己流の誤った方法で行わないためにも、定期的に専門家の整体施術を受けることをお勧めします。
 「べくとるわーくす」では、物理学を応用した体を解きほぐす整体施術を行っているほか、自分でできるゆがみ解消法も紹介しています。自分の体と向き合う時間の少ないビジネスパーソンですが、ゆがみが痛みに変わる前に日頃から体をいたわることが大切です。
●奉行EXPRESS 2009年秋号より [→目次へ戻る]