つらい修行と禁欲生活を耐え抜いた人。そんなイメージの強いお坊さんですが、一方で高級車、豪邸、高級ブランドといった豪華な生活ぶりをうかがわせるお坊さんも存在します。事実、昔から「ぼうず丸儲け」という言葉があるように、お寺には一般の企業とは違った儲けのカラクリが存在しています。
　会計事務所に勤めた経験に加え税理士の資格を持つ筆者は、総本山で修行を積んだ正真正銘の住職。本書では、一般の人がなんとなく気になっているお坊さんの生活や、お寺とお金の関係について分かりやすく解説しています。例えば、お坊さんの生活で疑問の多い「お坊さんの結婚」や「お坊さんと飲酒」、企業との違いを取り上げた「お布施は安心の即現金一括払い」や「お寺に対する税金優遇」、「宗教活動に対する税金の仕組み」といった話題まで盛りだくさん。一般企業に勤めるビジネスパーソンから見たら想像もつかないような世界が広がっています。
　驚きの事実からお坊さんに対する同情、ビジネスヒントにいたるまで、楽しみながら「ぼうず丸儲け」のカラクリを知ることができる1冊です。

　地方にある老舗書店に勤める古川ミチルはごく普通のOL。しかしその書店に出入りしていた東京の出版社に勤める豊増一樹との関係を機に、人生の歯車が狂い出します。
　ある日休憩時間に仕事を抜け出したミチルは、上司と同僚に頼まれた宝くじを購入した後、出張を終えて空港に向かう豊増の後を追って一緒に東京に出発する飛行機に乗り込みます。当初はすぐにでも故郷に帰るつもりでしたが、いつの間にか家族を捨て、仕事を捨て、恋人を捨て東京の幼馴染の家で暮らし始めます。
　そして運命を変える出来事を迎えます。それは故郷を出るときに買った宝くじです。このときミチルは頼まれた宝くじの合計枚数より1枚多く購入していました。何気なく当選番号を照らし合わせているとなんと1等の当たりくじがあるではありませんか。その日を境にミチルの周りでさまざまな事件が起こり始めるのです。
　運命に翻弄されるミチルとそれを語る夫の過去。何気ない出来事がすべてを変えてしまう人生の不思議と、誰もが秘密を抱えて生きていることを感じさせてくれる1冊です。