企業診断所
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●第二回
 奉行シリーズをお使いいただいている企業様へ、業務効率と業績の向上へのヒントとして、今からできる「明日への一歩」をご提供している企業診断所。第二回は販売管理業務システムの効果的な導入方法を、株式会社NTTデータセキスイシステムズ・宮下 淳さんに伺いました。財務会計や労務管理のように法制度やルールという「ものさし」がなく、標準的な業務を定義しにくい販売管理業務。効果的な導入を行う秘策はあるのでしょうか?
宮下 淳 株式会社NTTデータセキスイシステムズ ビジネスソリューション事業部 営業推進グループ グループ長
宮下 淳(みやしたあつし)
1988年積水化学工業入社。入社以来多数の大型プロジェクトに参画。主なものとして事業部営業支援システム・工場物流システム・積水化学基幹システムの企画・構築に従事。現在は、卸売業者を中心に4つの競争力強化軸を中心としたコンサルテング及びプロジェクトマネージャーとして活躍中。
URL http://www.nttd-sk.jp/
Q1 販売管理の立ち上げで、導入成果が出ない企業とは?
 販売管理システムには「売上計上→請求書発行→入金管理」という「お金の流れ」と、それこそ自社のノウハウがたっぷり詰まった、「モノの流れ」という大きな2つのプロセスに分類できます。導入成果が出ない企業は一般的に、現状システムの機能を単純に新しいシステムに置き換える傾向があります。システムを新しくしても業務運用自体に変化は無く、どちらかといえば「お金の管理」に比重が置かれるケースが多いのではないでしょうか。
Q2 独自のノウハウが多い販売管理業務改善の秘訣は?
 もちろん「モノの流れ」は企業によって長年蓄積した特徴があり、しかも一般的な「ものさし」がないので標準化が難しい分野です。たとえば卸売業の場合、取引先からの要求に応えるため、「リードタイムを短くしたい」とか「納期問合せの返答時間を短くしたい」という課題はわかっても、解決するための業務運用を構築することは容易ではありません。
 そこで私はお客様に、自社の業務を「顧客サービス」「スピード」「業務品質」「コスト」という4つの評価軸で自己評価していただいた上で、具体的なあるべき業務の姿と土台となるシステム構築の検討をすることをお奨めしています。
Q3 4つの評価軸について詳しく教えてください
 「納期回答の返答時間を短くしたい」という「顧客サービス向上」の狙いがあれば、その業務手順とボリューム及び時間を測定します。たとえば「顧客からの問合わせ→注文書を探す→仕入先に確認→仕入先の回答入手→納期回答」という手順の中で、時間がかかるプロセス・情報が途切れる箇所を抽出します。回答を早く確実に取得・記録することを阻害する要因がポイントとなりますので、その課題を撲滅するための業務運用及びシステムの利用方法を検討していきます。この際に「何分以内で回答する」という定量的な目標値を定めることがメリハリのある検討をする際にはとても重要です。
 「顧客サービス向上」は業務スピード向上につながり、システム導入によって転記ミスがなくなれば、結果的に「業務品質」の向上や、業務効率化により「コスト」削減にも結びつきます。
 つまり4つの評価軸はあくまでも課題を見つけ出すきっかけ(視点)であり、仮想ものさしの役割を果たします。昨今のシステム費用対効果の考え方は単にコスト削減だけでなく、この4つの評価軸のレベルを向上させることが企業競争力強化に寄与するのであれば、投資をすると考えられる経営者の方も多くなってきました。
Q4 費用対効果の高いシステム導入を行うポイントは?
 一つは、各部門選抜のプロジェクト(分科会)を作り、現場中心で新業務運用について検討することです。そして、月に数回しか起きないような「特殊な業務(レアケース)」は除外して8割の「通常業務」がうまく運用できる業務システムづくりを優先することがポイントです。特殊業務は適宜人による対応と割り切ることが重要です。
 そしてシステムを選定してから導入までは、新しい業務ルールや人員配置の整備など業務環境の準備期間と捉え、新業務システム利用の想定をし、日常業務の流れ・処理量に耐えうる運用ができるようしっかりとした準備を行い関係者全員で新業務をイメージすることが大切です。

答えは自社の中にある
 自分が思い描く姿と取引先の評価に隔たりがあったとき、「自社の魅力・強みが伝えきれていない」ことに気づきます。そのときこそ、自社を診断する絶好のタイミングです。4つの評価軸を使って診断し、「会社の強み」をどう伝えるか、その答えは自社でしか出せません。自社を診断する絶好のタイミングとして、是非販売管理ソリューションセミナーを活用してください。 4つの評価軸
■導入事例紹介
正氣屋製菓株式会社 代表取締役社長
安井 栄一 様
 当社は今まで注文をいただくと、受注伝票を手書きしそれを台帳に転記、仕入先にFAXで発注し納期回答をまた台帳に転記するという方法を取っていました。
 1日に約300件の伝票を処理するだけでも大変でしたが、お客様からの納期問合せへの返答にも時間が必要でした。電話を受けた人間が担当者に確認し、担当者が不在の場合は台帳を探し、さらに仕入先に確認して…という作業は返答までに1日を要することもありました。
 今回のシステム導入は、この業務の入口を整備することが主眼でした。受けた注文をシステムに入力すれば自動的に仕入先にFAXが送られますので業務工程を短縮でき、皆が共通のデータを閲覧できますから納期確認もその場での回答も可能になりました。
 4月に導入したこのシステムに今後データが蓄積されれば、業務のかなりの部分を占めるリピート注文に大きな力を発揮しますので、今感じている以上の導入効果が得られると期待しています。
安井栄一 名称:正氣屋製菓株式会社 所在地:大阪市阿倍野区阪南町3-2-13
設立:昭和25年4月 事業内容:菓子食品元卸問屋
全国の地域限定の菓子を発掘し、仕入・販売を行う。3万アイテムにのぼる取扱商品は「愛菓子(まながし)」と名づけ、愛菓子の素晴らしさの啓蒙と紹介にも尽力している。
URL●http://www.masaki-ya.co.jp/
正氣屋製菓株式会社
今回の処方箋
販売管理ソリューションセミナー開催決定!
企業の基幹業務を診断し、第一歩を踏み出す絶好の機会です。

4つの競争力評価軸に基づいた業務レベル向上のためのシステム構築論
〜劇的に業務変革に成功された企業ノウハウを実体験できる〜
当日は基幹業務のあらゆるご相談に対応いたします。

●開催会場一覧
福 岡…7/24(火)
広 島…7/27(金)
東 京…8/1(水)
埼 玉…8/2(水)
名古屋…8/3(金)
高 松…8/7(火)
※会場、開催時間などの詳細につきましては、Webサイトにてご確認ください。

解決のヒント

●奉行EXPRESSより