企業診断所
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企業診断所 所訓
●第一回
多くの企業様が決算を迎える時期。1年間の業績を振り返り新年度への抱負を新たにしているところではないでしょうか? 私どもも1年を振り返り、今年度は奉行シリーズをお使いいただいている企業様に対して「業務を効率的に行いたい」「会社の業績を上げたい」など企業改善のヒントを提供していきたいと考えています。そこで、今からできる「明日への一歩」をシリーズでご紹介します。
渡辺所長 渡辺税理士事務所 代表
渡辺英治(わたなべえいじ)
愛知県出身。エムエスシーソフトウェアに入社し、NTTのベンチャー企業の立ち上げに参加。2000年に渡辺税理士事務所開設。現在は、ITを活用した独立起業支援を中心とした財務アドバイスを手がけるかたわら、数多くのセミナー講師としても活躍、分かりやすさと親しみやすさが好評を得ている。
URL http://www.consulting.gr.jp
Q1 企業の決算に携わり、経営指導する際の企業の問題点は何ですか?
3月は多くの企業が決算を迎える時期ですが、決算期には、
@作成した財務諸表作成が正確なものであるか
A事業計画を反映した収支であるか
B月次も含め、収支は迅速に集計されているか
という三つの課題が出てきます。
@とAは「財務諸表のクオリティ」を意味します。例えば、金融機関の融資を受ける際には対外的な信用力として、財務諸表に記載された数字の正確さが求められます。さらに、経営者は事業計画に対する実績の達成度合いを測って次年度へ向けた意思決定を行います。
対外的・対内的に重要な判断基準となる「財務諸表のクオリティ」を高めるためには、Bの「収支計上の迅速化」が不可欠です。直近月次の売上(計画に対する達成率)を知ることは、目標や予算の修正という経営判断・予測の材料として非常に重要ですから、月次収支は翌月中旬までには集計されることが望ましいのです。
しかし現実には、月次の収支の計上に時間がかかり、財務諸表から経営判断や見直しができずにいる企業が多いのではないでしょうか。
Q2 企業の決算に携わり、経営指導する際の企業の問題点は何ですか?
どの企業にも共通して言えることは、しっかりとした管理体制や業務フローが存在しないということです。財務・管理部門へ人手が割けないので売上・請求・仕入・経費精算等の業務が担当者に一任され、業務フローや承認のワークフローを作れないでいるのです。
これはシステムを導入すればすぐに改善されるというものではありません。私がコンサルティングする場合、仮に3月決算の会社には夏頃からワークフローの見直しを行います。そして次第に詳細を詰めて行き、1〜2月頃から試行してみて来期から変えるという形を取っています。
STEP1
取引先ごとに違っていた請求書のフォームと発送期日・方法を統一する。
STEP2
そのために取引先に要請し、請求書送付期限を締日必着で徹底する。
STEP3
それらを踏まえて、次は経費の申請・承認・仮払いの承認フローを作る。
というように段階を踏みながら、徐々に改善して行くようにしています。
その結果ワークフローが完成すれば、Aの要素をさらに掘り下げた「管理会計」に踏み込んでいけるので、無理のない形でのステップアップを心がけています。
Q3 管理会計を行う目的と、その効果は何でしょうか?
図1にあるように経営のプロセスでは、予算を事業(プロジェクト)別・商品分類別・得意先別など、詳細な計画へと落とし込みます。そのために実績値についてもグロスの数字ではなく、これらの詳細な数値の把握が必要となります。プロジェクト別に売上・原価の予算を立てて個別の実績を把握できると、全社の収支から資金繰りを立てることが可能になるのです。
そのためには、月次の収支が早くわかる必要があります。仮に管理会計を行っていても集計に時間がかかっていては、どうしても対応が遅れてしまいますから。
Q4 本業が忙しい中でも、
今日から業務フロー改善に取り組む方法はありますか?
業務フローを作る上で一番大切なことは、「今までルールが曖昧だった」「担当者個人に任せていた」という、いわゆる暗黙知をなくして業務を可視化して行くことです。
自社のワークフローを作成できれば、来年に施行を控えている日本版SOX法や中小企業の会計指針などを自社のベンチマークとして活用することができます。
しかし何もないところから自社のワークフローを描くのは大変です。そこですぐに実行できる方法として、私は「奉行Solutions」の活用をお勧めしています。「奉行Solutions」には標準的な業務フローが項目ごとに記載されていますので、項目ごとに担当者と方法・問題点などを直接書き込んで行くとわかりやすいと思います(別紙「カルテ」参照)。
これを利用すれば業務プロセスが可視化され、自社の強みと弱みが明確になり、必要な改善点が浮き彫りになるのではないでしょうか。
別紙の「カルテ」を参照して、『明日への一歩』を探しましょう。
今回の処方箋
自社の問題点を知る、問題点を解決するセミナーを全国で展開!
●平成19年度税制改正
●意思決定のための管理会計

解決のヒント

●奉行EXPRESSより