基本を極めるビジネスの心得
活用の場が広がるSNSにも、ビジネスマナーあり!
インターネット上で、さまざまな人たちと交流が図れるSNS(交流サイト)。
プライベートで楽しめるのはもちろんのこと、ビジネスシーンにおいても幅広く活用されています。
となると、当然そこにはビジネスマナーも欠かせません。
SNSを活用するビジネスパーソンならば知っておかないと損をする“SNSビジネスマナー”とは?
 インターネット上でコミュニケーションが取れるSNS。一対一のみならず、同時に複数の人とコミュニケーションが取れるなど、新しい“つながり”の形として、今や世界中の人たちが日常的にSNSを利用するようになりました。
 ビジネスシーンにおいても、SNSは活躍の場を広げています。たとえば社内の部署ごとにSNSを通じて意見交換を行ったり、情報を共有したり、取引先とのコミュニケーション手段としてや、一般消費者への告知・マーケティングなどにも利用されています。業務の効率化や経費削減などの観点からも、SNSは今後ますますビジネスシーンに広く普及していくものと考えられます。
 そこで重要になってくるのがマナーです。プライベートで友人や仲間と交流を図るだけなら、それほどマナーを気にする必要はありませんが、ビジネスでの活用となれば話は別。ビジネスマナーを考えずに使うと、ビジネスに役立つどころか、信用や信頼を失うことにもなりかねません。
 では、SNSビジネスマナーとは具体的にどういったものなのでしょうか。
 まず基本となるのは、「SNSのプライベートとビジネスの使い分け」です。SNSの魅力は、インターネット上でさまざまな人と“話せる”点にあります。気の合う仲間に、仕事の自慢や愚痴を話したくなるのは当然のことですが、その内容に会社の重要な機密事項が紛れ込んでいる可能性もあります。クライアントの悪口をうっかり書き込み、たまたまそれが明るみになって取引が解消されてしまうこともあるでしょう。これだけSNSが普及し、個人の特定も容易にできる時代だからこそ、発言・書き込みには十分注意しなくてはなりません。対策として、アカウントを分けるなどして、プライベート用とビジネス用で使い分けることをおすすめします。
 「SNSを利用するタイミングや頻度」もマナーのひとつです。仲間とSNSで交流するのは、実に楽しいもの。反面、この楽しさゆえに中毒性があり、「やめられない、止まらない」状態になってしまうことも。一説では、イギリスの全労働人口のうち約6%が仕事中に1時間以上SNSを利用し、それが原因で2兆円近くの経済損失が出ているともいわれています。プライベートでSNSを楽しむのは、あくまでも休憩中の範囲内に。またビジネスシーンにおいても、本来の業務そっちのけで、SNSにばかり気を取られないようにしなくてはなりません。
 これら以外に、あまり知られていないSNSの注意点があります。それは、「SNS上の著作権・肖像権」です。好きな本から文章を引用したり、有名人の写真を掲載したり、SNS利用者なら、誰しも一度は経験があることかもしれません。しかしこれが、著作権や肖像権の侵害にあたる可能性があるのです。実際に個人のブログに著作物の文章が引用されていたからといって、その作家や出版社から訴えられることは考えにくいのですが、ビジネスで利用しているSNSということになると、どこで権利や金銭などが絡んでくるかわかりません。どうしても必要な場合でない限り、著作の引用や有名人の写真掲載は避けた方が賢明でしょう。
 ビジネスにも幅広く活用できるSNSだからこそ、その使用マナーに十分留意する。それでこそ、本当の意味でSNSを使いこなせるビジネスパーソンです。
●奉行EXPRESS 2011年秋号より