基本を極めるビジネスの心得
おしゃれとは別物。社会人の身だしなみ
いくら話の中身がよくても見た目で聞いてもらえないこともある
 『人は見た目が9割』という本がベストセラーになったことがありました。他にもアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが下記の図表のような興味深いデータを発表しています。これによると「人は見た目で55%評価を決める」というのです。しかもその判断にかかる時間はたったの「3秒」。怖いですね。 つまり職場でもいくら正しいことを言っていても、見た目がきちんとしていなければ半分も伝わらないということになります。職場での「見た目」は、おしゃれかどうかということではありません。大切なのは身だしなみなのです。
ビジネスの心得
身だしなみを整えるポイントはいくつかあります。髪型と髪の色。服装。姿勢。仕上げは表情です。
まずは髪型と髪の色。髪がばさっと顔にかかっているのはもってのほか。表情が清々しく見えるよう、顔をすっきり出しましょう。航空会社の客室乗務員や一流メーカーの美容部員は長い髪の女性も必ずアップにしています。一般企業ならアップでなくとも、ヘアバンドでとめる、一つに束ねるなどするとよいでしょう。また髪の色は黒。染めたとしても栗色まで。ある鉄道会社のように絶対に染めてはいけないといった規則がある会社もあります。
服装は制服なら着崩さず清潔にして着ること。私服の場合もベーシックなものが無難です。若い男性が勘違いしがちなのが、足元。白い靴下は清潔感があると思っている人も多いようですが、働く場面では、スーツに準じた濃い目の色の靴下を履くのが上品です。
一方、女性の服装で最近気になるのが、胸元。襟ぐりが大きく開いたカットソーがたくさん売られていますが、ビジネス向きではありません。お辞儀をしたとき、胸の谷間がすっかり見えてしまうというのでは、職場の相手も目のやり場に困ってしまいます。注意するのも「セクハラになる」という変な気遣いもあり、陰で不評を買っていて本人だけが知らないということもあるでしょう。
いくら本人が「こうは見えてもやる時はやるんです」と思っていても、仕事を評価するのは他人です。身だしなみを整え、明るい表情で「できる人」という第一印象をつくることも、大事なビジネスの一環であり、礼儀なのです。
●奉行EXPRESS 2008年春号より