企業にとって、最も大切なリソースは「人材」です。その人材に最大限のパフォーマンスを発揮させるためには、働きやすく、居心地の良い環境を作ることが何より大切でしょう。株式会社小林労務では、そうした従業員にとって居心地の良い環境を作る労務管理サービスを常に追求し、提供しています。社会保険労務士(社労士)は一般的に社会保険の手続きが主な業務と思われていますが、私たちはそうした業務にとどまらず、経営者が抱える労務管理全般の悩みや問題を解決するソリューションを提供できる点が、他の社労士とは異なる強みです。
具体的には、人事評価制度の導入の支援、残業の削減や適正な休暇の仕組みの整備、会社にとって重要な「就業規則」の作成サポートなどを通じて労務管理の改善を図ります。例えば、人事評価制度について言えば、導入している中小企業は少ないでしょう。10人以下の企業であれば、経営者が自身の感覚で評価を下している企業が大半かもしれません。経営者はよく従業員の働きを見ており、その感覚は多くが適正であることは事実です。しかし、評価に紐付く給与やボーナスは必ずしも合理的でない場合も多いようです。
私たちは経営者とよく話し合い、能力給と勤続給、年齢給のウエイトをどのように設定するか、5段階評価にした場合、それぞれの評価でどの程度昇給したりボーナスを支払ったりするかといった賃金表の作成などを通じて、人事評価制度の合理化を支援します。過去に様々なタイプの会社に対し制度の構築を手伝ってきたため、当社には数多くの実績やノウハウが蓄積されています。ですから、他社の取り組みについて社名を伏せた上で紹介できますし、顧客の実情や経営者の想い、考え方を基にカスタマイズした制度の構築が可能です。人事評価制度は、従業員の納得感やヤル気を引き出し、育成や成長に寄与する原動力になります。将来設計にも役立つため、離職率の低減につながることも利点でしょう。
経営者がトラブルに巻き込まれることを事前に予防することも、私たちの大切な役割です。例えば、近年は従業員が退職した後に未払いの残業代を請求するケースが増えています。実は、従業員の労働時間を管理し、記録する責任は会社側にあります。しかし、それを怠り、正確な資料を用意できなかったために反論ができずに元従業員に請求された金額を支払わざるを得ないケースも多く見られます。あるいは解雇に関して訴えられ、客観的な解雇理由が示せなかったために、裁判で「解雇無効」の判決が出ることもあります。今は個人でもインターネットを通じて関連情報を簡単に入手できることが、そうした案件の増加に拍車をかけていると言えるでしょう。
トラブルを未然に防いだり、備えたりするためには、労務管理の仕組み作りが重要です。残業代関連のトラブル防止にはタイムカードの導入や打刻後は会社に残らせないなどの運営上の管理を徹底することがポイントです。さらに、残業や解雇などの問題に対して適切に対処する際に欠かせないものが「就業規則」です。なぜなら、問題になりがちな残業や休暇、給与、解雇などの条件は、契約書や就業規則に明記されていないと、合法的に実行できないからです。最近は、当社の顧問先でも就業規則を作成するケースが増えています。
大事な点として、就業規則に「賞味期限」があるということを覚えておいてください。労務に関する法改正は頻繁にあり、その改正内容に合わせて、就業規則を変更する必要があります。昨今は、制度改正が頻繁で複雑化していますので、社労士などを活用して、常に法改正に即した内容に更新、進化させることも重要になってくるでしょう。
一方で、今後の労務管理に関連しては、大きなトピックスが2つあります。1つが2016年1月に本格的にスタートするマイナンバー制度です。国民一人ひとりに12ケタの個人番号が付与される制度で、社会保障や税金などはその番号によって管理されるようになります。中小企業にとってのポイントは、今後社会保険や税金の手続きなどに関して、その番号の記入が必須になるとともに、漏えいしないように厳格に管理しなければならないことです。漏えいに対しては厳しい罰則が適用されます。会社が社労士などの外部に管理を委託した場合も、漏えいしないように管理する責任は会社側にあるため、信頼できる社労士の選定が不可欠になります。マイナンバーの取り扱いに関する社内規定を新たに設け、就業規則に反映させることも必要です。
もう1つが、2015年12月に始まるストレスチェック制度の義務化です。定期的に従業員のストレス状況を検査し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みであり、その実施は事業者の義務となります(50人未満の事業者は当分努力義務)。事業者はストレスチェックの方法、スケジュール、予算などを決めなければなりません。
ただし、企業側や経営者は、今回の制度の義務化を負担と考えるのではなく、改善の機会と捉えることが大切です。つまり、事前にストレスが高くなっている従業員を発見できれば、残業を減らしたり、部署の雇用環境を改善したりするなど、「居心地の良い環境」に変えてパフォーマンスの向上を図ることが可能になります。
このような労務管理の大きな変更に対しては、ソフトとハードの両面で対応することが必要です。ソフト面では情報の管理マニュアルを作成し、従業員への周知と教育を徹底することが求められます。当社が提供するマニュアルの作成支援やセミナー、勉強会を通じた社員教育などのサービスを活用することも一つの手と考えていただければ幸いです。
ハード面では、人事奉行や給与奉行に期待するところが非常に大きいでしょう。これらの奉行シリーズの優れている点は、新たな制度が導入されたり、法改正があったりした場合に、即座に内容がシステムに組み込まれることです。そのフォローの速さや正確さには、全幅の信頼をおいています。人事奉行や給与奉行を適切に使っていれば、マイナンバー制度やストレスチェック制度の開始後も、従業員の労務管理に支障が生じることはないと考えています。私たちの顧問先の大半が奉行シリーズを導入しているため、新制度下でデータの連携が取れることもメリットです。
紙資料よりも、奉行シリーズなどのシステムを使って管理する方が、効率性、安全性などを考えた場合、有効であることは言うまでもないでしょう。当社でも労務管理のIT化を推進する一助として、社会保険の電子申請が可能になる自社開発のソフト「
e-say電子申請.com」の提供を2016年1月から開始する予定です。企業の労務管理のコンサルティングやITツールを用いた業務改善などを通じ、労務に関する問題や課題を一つでも多く解決することによって、社労士の社会的な地位の向上を図ることができればと思っております。