健康でいこう!
肩こり・腰痛を軽減し、姿勢を矯正する! テニスボールを使ってセルフマッサージ
安くて手に入りやすいテニスボールを使ったマッサージが話題を呼んでいます。今回は、からだの本来の機能を取り戻し、肩や腰のつらい痛みを緩和させるセルフケアをご紹介。いつでも手軽にできるので、日常生活の中に取り入れましょう。 一般社団法人徒手医療協会代表理事
とよたま手技治療院院長/とよたまコンディショニング代表
鍼師/灸師/あん摩マッサージ指圧師
健康運動指導士/介護予防運動指導員
[監修]古川 容司(Yoji Furukawa)さん
合気道道場、リハビリテーション医療の現場を経て、とよたま手技治療院を開業。故障の治療や姿勢矯正を行いながら、一人ひとりにあったセルフケアを提案する。空手やダンス、サッカー選手などのコンディショニングトレーナーも行う。
しつこい肩こりや腰の痛みはなぜ起こるのか?
からだの構造を知るところからはじめよう
 一日何時間もパソコンの前に座ったり、集中して作業を行ったりしていると、肩がこり不快感や痛みが出てしまうことはありませんか。現代人の肩こりのほとんどは、筋力と柔軟性の低下による血行不良が要因です。
 本来、人の頚椎は緩やかな曲線を描いていて、背筋を張ることで頭を胸という土台にのせておくことができます。しかし、たとえば座った状態でデスクワークを行っていると、どうしても背中が丸まって前傾姿勢になってしまい、お腹の筋肉も働かない状態になるので、重い頭を支えようとして首の後ろの筋肉が緊張してしまいます。そのまま長時間動かずにいると、肩こりを引き起こす首すじの筋肉が過労に陥り、慢性的な痛みが生じることに。作業中もじっとせずに筋肉をいろいろな方向に動かしてあげることが理想ですが、なかなかそういうわけにもいきません。そこで、翌日にできるだけ疲れを持ち越さないように緊張した筋肉を伸ばすこと、つまりマッサージを行うことが必要です。筋肉は休養することで回復するので、自分で回復できる程度まで疲労を軽減しておけば、痛みはかなり軽減させられるのです。
重症になる前にケアすることが重要
テニスボールは優秀なマッサージャーだ!
 そんな痛みのセルフケアに最適なのがテニスボールマッサージです。テニスボールは、スポーツ用品店、大型スーパーや百円ショップなどで簡単に、しかも安価に手に入るうえ、マッサージにちょうどいい硬さです。トリガーポイントと呼ばれる痛みの根源にボールを押し当てることで、痛みを緩和させていく海外ではメジャーな治療法です。あまり固いボールを使用すると筋肉を傷めて返って痛みが増してしまうことがありますが、柔らかいテニスボールなら初心者が使用しても筋肉に侵入しすぎることなく、防御反応を起こしません。ほどよい気持ち良さが感じられて、短時間で効果が出るのも人気の秘密。肩や腰が疲れたなと感じた時、自宅やオフィスで簡単にできるのもいいですね。
テニスボールマッサージ
※上限は15分。筋肉痛の原因になるのでやりすぎに注意しましょう。
首の痛み・肩こりに効くマッサージ〈立ち姿勢で行います〉
背中と壁の間にボールを挟みます。その状態で、足は前方に投げ出すようにして壁に寄りかかります。背中でボールを転がしながら、痛いと感じるところを探しましょう。痛いところが見つかったら、その部位に圧力をかけて筋肉がゆるむのを待ちます。痛みが半減したら、次の場所をさがし、同じようにマッサージを繰り返していきます。
腰の張りを緩和するマッサージ〈イスに座って行います〉
左右どちらかのお尻を軽く持ち上げて、太ももの付け根周辺にボールを入れて体重をかけます。上下にボールを動かし、痛いところを見つけたら、しばらく圧をかけます。この時、膝の曲げ伸ばしをしながら痛みを押すとその部位の伸びが感じられるでしょう。痛みが落ち着いてきたら、ボールを左右に動かし、また痛いところをみつけてマッサージを行います。
姿勢を整えるためのマッサージ〈立ち姿勢で行います〉
足の裏でテニスボールを軽く踏みます。親指と人差し指の間から踵をつなぐラインにある内側のアーチのくぼみ(1)にボールを入れたら、体重を乗せて刺激を感じます。次に、薬指と小指から踵をつなぐラインにある外側のアーチ(2)にボールを移動させ、同じく体重を乗せます。最後に片ひざをつき、その足の横のアーチ(3)のくぼみにボールを入れて体重を乗せたら、片手で足首をつかみ、もう一方の手で指をグッーパーと閉じたり開いたりする動作を約20〜30回繰り返します。
●奉行EXPRESS 2013年夏号より [→目次へ戻る]