連結を『ヒトゴト』と思っているなんて、もったいない!!
会社名:株式会社プログレス・パートナーズ
投稿者名:シニア・マネージャ 木村泰士
〜「連結なんて『ヒトゴト』だ」と思っていませんか?〜
   
 


世界を揺るがせて、今流行り(?)の内部統制制度が生まれるきっかけとなった、エンロンの粉飾決算。日本でも大きな衝撃をもたらした、ライブドア、カネボウ、日興コーディアルの事件。これらの粉飾に共通する手口は何でしょう?
・・・答えは、「連結はずし」でした。
「連結決算中心」のディスクロージャーが日本で制度化されてほぼ9年が経過し、「連結経営」という言葉はもはやありふれた言い回しとなりました。新聞やテレビで報道される増益やリストラといった話題も、連結ベースでどれだけ、という表現がされることがほとんどです。人がある企業を見たり語ったりするときは、まず最初に連結ベースから入るようになった、と言っても良いのではないでしょうか。
しかし、こんなご時世でありながらも、「連結なんて『ヒトゴト』だ」、とお考えの経営者も多くいらっしゃいます。本当に、ヒトゴトなのでしょうか?




確かに、グループの親会社として連結決算の開示を強制されているのは、数でいえば圧倒的少数の一握りの企業だけです。また、「連結」というテーマが取り上げられるときは、必ずといって良いほど親会社の立場からの議論ばかりです。「連結なんて『ヒトゴト』だ」とお考えの会社は、大きく言って、3つのタイプのいずれかのはずだと思います。

  • (1) 単独で事業を営んでおり、親会社も子会社もない会社
  • (2) 子会社を持っているが、制度上連結決算を行う必要がない親会社(およびその子会社)
  • (3) 親会社に報告だけは行っている子会社

(2)の会社は、「連結なんて必要ない、あんな面倒そうなものをやらずに済んでよかった」、とお考えかもしれません。また、(3)の会社は、「親会社から指示されるので仕方なく報告しているが、手間がかかるだけで自社には何のメリットもない、報告の回数を減らすか、できればなくして欲しいくらいだ」、とお考えかもしれません。



確かに、連結を行うには、何もしないのに比べれば、当然ながら多かれ少なかれ手間はかかります。しかし、必要がない、メリットがないというのは、大きな誤解です。(2)の会社でしたら、できるだけ手をかけずに、連結ベースで役立つ情報だけを手に入れることができれば、経営上大きなメリットがあるのです。また、(3)の会社は、せっかく連結情報の作成に協力するのだから、できあがった連結情報を、自社でも活用することでメリットを得ようと考えてはいかがでしょうか。

なお、(1)の会社だけは、確かに当面は連結とは縁がないように見えます。ただ、経営環境が激変しつつある昨今では、そのような会社もいつ親会社や子会社になるかわかりません。制度の後押しもあってやり易くなった企業分割は、組織再編の選択肢の1つとして検討の価値がありますし、M&Aで他社を買う(あるいは買われる)といったことも、ひと昔に比べれば、日常茶飯事になったといっても過言ではないでしょう。連結は自社には関係ないと決めつけず、少々お付き合いいただければと思います。

連結は『ヒトゴト』ではないのです。
私は、これまで数多くの企業の連結決算や連結経営管理のお手伝いをさせていただいてきました。その経験をもとに、本稿では、連結決算を強制されていない会社や、一方的に報告だけを強いられている子会社にも、連結のメリットをご紹介して、是非経営に活かしていただきたいと考えています。
連結のメリットを活用しないなんて、もったいない!!

 
 

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