費用対効果の高いシステム導入の秘訣とは? (販売管理編)
会社名:株式会社NTTデータセキスイシステムズ
投稿者名:宮下 淳 
〜競争力強化のための業務改革とシステム構築論〜
   
 


財務会計や労務管理のように法制度やルールという「ものさし」がなく、業務レベルの評価が難しいのが販売管理業務。
企業が目指す姿になるためには、業務が最大限の効果を発揮することが必要不可欠です。
その秘訣はあるのでしょうか?

 


販売管理システムには「売上計上→請求書発行→入金管理」という「お金の流れ」と、
それこそ自社のノウハウがたっぷり詰まった、「モノの流れ」という大きな2つのプロセスに分類できます。

導入成果がでない企業は一般的に、現状システムの機能を 単純に新しいシステムに置き換える傾向があります。
システムを新しくしても業務運用自体に変化は無く、どちらかといえば「お金の管理」に比重がおかれるケースが多いのではないでしょうか。

 

もちろん「モノの流れ」は企業によって長年蓄積した特徴があり、
しかも一般的な「ものさし」がないので標準化が難しい分野です。

たとえば卸売業の場合、取引先からの要求に応えるため、
 「リードタイムを短くしたい」
 「納期問合せの返答時間を短くしたい」
という課題はわかっても、解決するための業務運用を
構築することは容易ではありません。


 


「納期回答の返答時間を短くしたい」という「顧客サービス向上」の狙いがあれば、その業務手順とボリューム及び時間を測定します。

 

例えば「顧客からの問合わせ→注文書を探す→仕入先に確認→仕入先の回答入手→納期回答」という手順の中で、時間がかかるプロセス・情報が途切れる箇所を抽出します。

回答を早く確実に取得・記録することを阻害する要因がポイントとなりますので、その課題を撲滅するための業務運用及びシステムの利用方法を検討していきます。

この際に「何分以内で回答する」という定量的な目標値を定めることがメリハリのある検討をする際にはとても重要です。
「顧客サービス向上」は業務スピード向上につながり、システム導入によって転記ミスがなくなれば、結果的に「業務品質」の向上や、業務効率化により「コスト」削減にも結びつきます。

つまり4つの評価軸はあくまでも課題を見つけ出すきっかけ(視点)であり、 仮想ものさしの役割を果たします。

昨今のシステム費用対効果の考え方は単にコスト削減だけでなく、
この4つの評価軸のレベルを向上させることが企業競争力強化に寄与するのであれば投資をすると考えられる経営者の方も多くなってきました。


 


(1) 一つは、各部門選抜のプロジェクト(分科会)を作り、現場中心で新業務運用について検討することです。
(2) そして、月に数回しか起きないような「特殊な業務(レアケース)」は除外して8割の「通常業務」が上手く運用できる業務システムづくりを優先することがポイントです。特殊業務は適宜人による対応と割り切ることが重要です。
(3) そしてシステムを選定してから導入までは、新しい業務ルールや人員配置の整備など業務環境の準備期間と捉え、新業務システム利用の想定をし、日常業務の流れ・処理量に耐えうる運用ができるようしっかりとした準備をおこない関係者全員で新業務をイメージすることが大切です。

 


 
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