2009年新卒採用の現状レポート その2
会社名:株式会社ビジャスト総研
投稿者名:代表 藤野 定幸
09採用後半戦の戦い方
藤野 定幸  
   
 
09採用後半戦の戦い方



理系採用数で2年連続首位となった東芝は半導体や原子力発電の技術者補てんのために大量採用を継続。2位のNECは今春実績比37.5%増の内定者を確保した。
(日本経済新聞)

09採用においても電機、情報などの大手メーカーで理系大卒者の大量採用が目立ちます。次世代の成長をにらみ、技術陣を充実させる動きが広がっているようです。

文系・理系に関わらず、大手企業の大量採用を受けて、例年同時期と比較すると学生の内定保有率は10%以上増加しているというようなデータもあります。このような状況で採用活動を引き続き実施する企業様や、これから本格的に採用活動をスタートする企業様が後半戦の採用を成功に導くために必要なことを今回はご紹介します。



内定保有率が60%を超えているなかで採用を成功させるには、内定を持っていない学生に加えて、他社の内定を持っている学生にも「自社に興味をもってもらい」「知ってもらい」「自社への入社を決断してもらう」ことが必要になります。

そのために、まずは企業情報や採用情報を前半戦のものとは変えなければなりません。 なぜなら、学生の(内定を持っている、持っていないに関わらず)企業選びのポイントが就職活動のスタート時とは変化していることがその理由です。



資料1を見てみると、当初は業界でのポジションや企業イメージを重視している傾向があります。それが、就職活動を進めるにつれ、社風が良いという項目をポイントに挙げる学生が約15%も上昇しています。これは、実際に面接に参加するなどするうちに、対外的なイメージよりも働く場所となる社風が入社先を検討するにあたり重要なポイントであるという認識が強まってきている結果だと言えます。又、福利厚生制度の充実が上昇しているのも、当初より福利厚生に対する理解が進んだ結果だといえます。つまり、前半戦はイメージの発信が応募者の確保に繋がり、後半戦は具体的な情報の発信が必要になります。

 

例えば、前半戦では「充実した研修制度」としていたものを後半戦は「充実した研修制度・・・入社3ヶ月までにこんな目的でこんな研修を実施し、6ヶ月目には・・・それらの研修を通して身に付けた力は将来的には○○に役立って・・・」といった具合になります。

 

ある企業様では、上記のように後半戦に向けて研修内容を詳細にしたことにより、応募理由として研修制度を挙げる学生が増加しているといった事例も見受けられます。ここで注意して頂きたいのが、前半戦ではそれが逆効果になる場合もあるということです。なぜなら、就職活動を始めたばかりの学生にとっては、就業するうえでの研修制度の位置づけや重要性を認識していないので、研修の詳細な説明をしても退屈なものでしかないので読んでさえもらえない可能性もあります。

 

これは営業活動の場面に例えるとニーズが顕在化していないお客様にいくら商品のメリットを語っても、購買意欲を刺激することはできません。つまり、前半戦の学生はニーズが潜在化しているので、まずはそれを引き出すための啓蒙活動が必要なお客様であり、後半戦の学生は啓蒙活動の末にニーズが顕在化しているので、そこを満たすための提案を求めているお客様であると言えます。




「企業のビジョン、魅力、超えなければならないハードル、働くことで得られるものや環境」など自社に関することを今一度整理し、ニーズが顕在化した学生の購買意欲を刺激するための提案書(=採用情報)を作成しましょう。

その提案書(=採用情報)は「情報の受け手である学生が実際に働いている状況が想像できるレベル」のものでなければなりません。

後半戦をスタートする企業様は、まずは「採用情報の具体化」を早急に実施することをお勧めします。10採用の計画を策定している企業様はどの時期にどのレベルで採用情報を提供していけば効果が最大化できるのかを検討してみては如何でしょうか。

最後に
「購買意欲を刺激する提案書(採用情報)なんてどう作成すればよいのかわからない。」又、「提案書に自身はあるけど本番前に効果を確認しておきたい」などという企業様は提案書作成セミナーや学生の前でプレゼンできる機会をご提供しております。お気軽にお問い合わせください。

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ビジャスト 藤野氏のスペシャリストコラム
(全3回)