このコラムでは、『大学生の現状』を客観的なデータで示していきたいと思います。
大学生の実態を正しく理解することで、より良い採用マーケティングをしていただく基本情報としてご覧いただければと思います。
前回のコラムでは『大学生の就職観』を客観的なデータで示しましたが、今回は、『学年別・就職の際に重視する項目』をご紹介します。
【就職の際に重視すること/学年別】
■労働条件重視
・給料が高い
2年:44.5% 3年:42.9% 4年:32.6%
・労働条件・休日休暇
2年:51.1% 3年:53.4% 4年:48.0%
・地理的条件が良い
2年:39.5% 3年:41.8% 4年:44.4%
■業界・企業重視
・会社の将来性
2年:49.5% 3年:51.8% 4年:47.8%
・事業内容の発展性
2年:34.3% 3年:35.6% 4年:40.2%
■キャリアアップ重視
・会社内のキャリア教育の充実
2年:23.8% 3年:26.1% 4年:36.5%
・仕事を通して資格・技術が身に付く
2年:41.3% 3年:39.7% 4年:47.4%
■自己実現重視
・自分の能力・個性が活かせる
2年:73.1% 3年:71.0% 4年:71.2%
・仕事のおもしろさ・やりがい
2年:82.6% 3年:82.0% 4年:81.7%
・自分の専門知識・資格が活かせる
2年:68.1% 3年:61.9% 4年:54.8%
(株)ベネッセコーポレーション「全国4年制大学学生調査」(2004年)より
スコアは肯定指数
注)数値=「とてもあてはまる(%)」+「まああてはまる(%)」×0.5 |
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各学年を通して最も高いスコアは「仕事のおもしろさ・やりがい」となっています。一方で、「給料が高い」「労働条件・休日休暇」といった労働条件重視型は、各学年とも低調なスコアになっているだけでなく、高学年になるにつれスコアがダウンしてきているのも特長です。
新卒採用の訴求ポイントは、労働条件、業界・企業の成長性、キャリアアップよりも「自分の能力・個性が活かせる」「仕事のおもしろさ・やりがい」「自分の専門知識・資格が活かせる」にあるということが言えます。
一方この結果は、人事の採用担当者だけではなく、ビジネスパーソンであればある程度うなづけるものであり、わざわざ誇張して示すデータではないとも言えます。
しかし、本当に「仕事のおもしろさ・やりがい」といった点にフォーカスし、最大限学生にアピールできているでしょうか?
この点が問題だと思います。
新卒採用担当者やリクルーターに、会社のエース級を配置していますか?
学生が「この人と働きたい!」と思える社員を配置できていますか?
インターンシップ、OBOG訪問、大学内での会社説明会、業者主催の合同説明会、自社の会社説明会、面接選考...学生と接する場面は存外多くあります。
学生と接する機会のひとつひとつで、自社の仕事の魅力(苦労話も含め)を熱心に語りかけ、学生の質問に一生懸命対応する社員を投入しているかどうかは、大きなポイントです。
ここで手を抜かない会社は、「エントリー」→「説明会」→「選考」→「内定」→「入社」のプロセスで確実に取りこぼしを最小限に食い止めている傾向にあります。
言うまでもなく、採用において最大のメディアは「人」です。
採用予算、企業ブランドで他社よりも厳しい環境にある会社ほど、再度「人」メディアの最適化をはかる必要があるのではないでしょうか?
学生に対し仕事の魅力を伝え、理解してもらえるように努力・工夫をしているか!?を再認識せよとこのデータは物語っていると言えます。
▼ 就業意識の高い学生が集まる新卒採用情報サイト「ベネッセドリームエントリー」はこちら▼
https://www.obcnet.jp/jin/shin.html
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