回答・対処方法

---  前提  ----------------------------------------------------------------------------------------------------

　　通常、前職分を含めないまま、年末調整の計算は行いません。
　　国税庁が発行している『年末調整のしかた』に、以下の記載があります。

　　　年の途中で就職した人で、就職前に他の給与の支払者に扶養控除等（異動）申告書を提出して
　　　支払を受けていた給与がある人については、その前職分の給与を含めて年末調整を行うことに
　　　なりますから、前の給与の支払者から本年中に支払いを受けた給与とその給与から徴収された
　　　税額を集計に含めます。
　　　この場合、前職分の給与とその徴収税額については、その人が前の給与の支払者から交付を
　　　受けた「給与所得の源泉徴収票」などで確認することになりますが、その確認ができるまでは
　　　その人の年末調整は見合わせてください。

　　　（ 『令和5年　年末調整のしかた』33ページ「年の中途で再就職した人の取扱い」より ）

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------

上記のとおり、中途入社の社員の前職分の源泉徴収票がない場合、正しい年末調整は行えません。

源泉徴収票が提出される見込みはあるものの、当年最後の給与（賞与）での精算までに提出されない場合は、
前職分の源泉徴収票の提出を受けてから、他の従業員とは別に年末調整の計算を行なってください。
【注意】
　下記の対応方法は、翌年１月の申告までに前職分の源泉徴収票が提出されることを前提としています。
　源泉徴収票がそれまでに用意できるか定かでない場合、下記の操作は行わないでください。
　翌年１月の申告までに、前職分の源泉徴収票の提出が間に合わない場合の対処については、
　たいへん恐れ入りますが、所轄の税務署に確認をお願いいたします。

＜対応方法（手順）＞
   １．年末調整計算の時点では、該当社員分の年末調整データを「未処理」のままにしておきます。
   ２．前職分の源泉徴収票を、社員から受け取ります。
   ３．[年末調整処理]メニューの[所得控除等]ページで、【税額計算情報】の年末調整方法を「2：単独年調」に設定し、
　　　該当社員分の年末調整データを登録します。
　　　※年次更新している場合は、F8[入力]キーを押してからデータを入力します。

【参考】
　自社分とあわせて従業員に確定申告してもらう場合は、下記の手順で源泉徴収票を発行できます。
　＜操作手順＞
　　１．[社員情報登録]メニューの[給与・単価]ページで、該当社員の年末調整区分を「0：年調不要」に設定します。
　　　　※年次更新をしている場合は、[年末調整処理]メニューの[所得控除等]ページで、該当社員の年末調整区分を
　　　　　「0：年調不要」に設定します。
　　２．[源泉徴収票]メニューで、該当社員の源泉徴収票を発行します。

関連FAQ

  ・処理が必要ない人の年末調整を登録してしまったため「未処理」に戻したい（奉行ｉシリーズ）
  ・前職が複数ある場合、源泉徴収票の摘要欄に印字するにはどのように入力しますか？（奉行ｉシリーズ）
  ・中途入社社員の前職の源泉徴収票に記載された社会保険料の内書きはどこに入力しますか？（奉行ｉシリーズ）