スキルアップメモ 2013年秋号
■生産等設備投資促進税制(法人税)

経営経理

 平成25年度税制改正では、国内設備投資の需要を喚起する観点から、国内設備投資を増加させた法人が新たに国内で取得等をした機械・装置については、30%の特別償却または3%(法人税額の20%を限度)の税額控除が認められることとなりました。

■適用要件
 生産等設備投資促進税制の適用を受けるためには、以下の2点の要件を満たす必要があります。
(1)国内における生産等設備への年間総投資額が適用事業年度の減価償却費を超えていること
(2)国内における生産等設備への年間総投資額が前事業年度と比較して10%超増加していること

※要件の判定で使用する適用事業年度の減価償却費については、前事業年度の償却超過額等を除き、特別償却準備金として積み立てた金額を含みます。
■生産等設備とは
 生産等設備とは、その法人の製造業その他の事業の用に直接供される減価償却資産を指し、以下の資産は含まれません。
●無形固定資産及び生物 ●本店、寄宿舎等の建物 ●事務用器具備品
●乗用自動車 ●福利厚生施設 等
■リースでの取得について
 リース取引により取得した機械及び装置についても税務上は取得に該当することになるため、税額控除の対象とされます。ただし、特別償却については対象外となります。

■適用期間
 適用期間は平成25年4月1日から平成27年3月31日までの2年間に開始する各事業年度とされています。ただし、設立の日を含む事業年度、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除きます。

■申告に当たっての注意点
特別償却の場合 確定申告書等に本制度の対象となる機械及び装置の償却限度額の計算に関する明細書を添付する必要があります。
税額控除の場合 確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に、控除の対象となる機械及び装置の取得価額、控除を受ける金額及びその金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

 この制度では、特別償却か税額控除を選択できることになっていますが、税額控除の場合は、法人税額の20%が限度となっており、超過分を翌期に繰り越すことはできません。所得が赤字の場合には、控除する税額がないまま切り捨てられてしまします。
 2年間の限定措置ですので、この税制のメリットを最大限享受するためには、平成24年度の投資額を踏まえ、平成25年度、平成26年度の投資計画を立てる必要があります。

 適用要件等に関する詳しい情報は、国税庁ホームページ等でご確認ください。