会計ひろば2
会計事務所として責任を持った対応を
 当所の業務は、一般税務業務や会計指導のほか、業務管理体制構築指導やFP(ファイナンシャル・プランニング)業務といった企業に欠かせない税務・会計に関わる支援や経営戦略の提案などあらゆる業務を行っています。その中で、まず基本として考えていることは「決算内容についてきちんと責任を持って対応する」ことです。
現在、当所が抱える顧問先は、建設業や製造業、印刷業などの業界から、飲食業やIT関連企業などのサービス業、さらには医療関係会社や社会福祉法人といった医療機関まで多岐に渡ります。このように接する業種業界はさまざまですが、「決算内容についてきちんと責任を持って対応する」という考えのもと、細部に至るまで経営状況を確認しながら、非常に正確な決算を行っています。多種多様な業種業界の業務には、それぞれに関連する専門知識も必要となります。当所は、税理士資格取得者に加え、五科目合格者も在籍しており、豊富な知識を基本に、各顧問先に合った適正な診断と正しい申告を行っています。適正な診断と正しい申告は、会計事務所として当然の業務です。このような体制の中、基本的な税務・会計の指導だけではなく、経営の健全化や経営再建の支援など、経営戦略全般に関することにも注力することが、当所の特長と言えます。
顧問先の利益に貢献することが大切
 経営者の方々に自社に関する要望をお聞きすると、「管理部門の人件費を増やすことなく、一人当たりの利益を上げながら、仕事を楽にして会社を高利益体質にしてほしい」という言葉が返ってきます。この要望を端的にまとめると、「売上を上げたい」「良い人材を採りたい」「資金調達をしたい」「原価管理をしっかりしたい」という4つに分類されます。一般の会計事務所の場合は、「原価管理をしっかりしたい」という部分に業務を注いでいますが、当所は、他の3つの課題にも積極的に関与しています。企業の会計は、あくまで経営の結果として出てくる指標であり、大切なのは基幹業務を含めた経営戦略全般についての提案です。
業務レベルで考えられる解決の提案は、例えば、仕事を楽にするということは、経理業務を効率化し、各種作業をマニュアル化したり、基幹業務の入れ替えをするなどといったことが考えられます。このようなことは、会計事務所なら当然として考えられる策ですが、当所は常に「顧問先の会社としての利益に貢献するためには、どのような対策をとるべきか」を考えています。常に経営者の視点で、経営改善、経営戦略の意図を持ちながら、業種業界の特性を踏まえ、会計数値の分析や解説を心がけています。
このような要望の具体的な説明を建設業で当てはめてみると、会社の利益という視点で見た場合、現場ごとの工事利益が見えるようにすれば、個々の工事利益の積み重ねが全体の利益になって見えてきます。そしてまず、予算を考え原価を管理しながら、いかに利益を確保していくかという視点で状況を判断し、その判断によって「このように利益を上げましょう」という意識づけを行い、具体的な仕組みづくりを提案します。飲食店の場合であれば、「店舗ごとにさらにはランチとディナーごとに利益を出しましょう」というように、なるべく利益の源泉、つまり利益はどこから出てきていているのかという根本の部分に目を向ける意識づけをしていきます。単に会計事務所としての視点だけでなく、経営者目線での提案は非常に重要なことです。
中小企業の経営正常化のお手伝いを
 経営戦略の意識がきちんとできていない企業のほか、もっと大きな課題を抱える企業が存在します。それは、「売上が伸びない」や「資金がなかなか調達できない」といった問題に直面すると同時に、自社の状況が把握できていない企業が多いということです。このような問題を持つ企業は、特に中小企業が多く、過去の流れの中で自社が、下り坂にいるのか、それとも上り坂にいるのか、あるいは横ばいになっているのかが把握できていないのです。その会社が今まで行ってきた活動をきちんと記録しているデータがあれば、そのデータをもう一度把握し、分析すればよいのですが、中小企業では、実際にデータそのものがきちんと保管されていないケースも多いのが現状です。そうなると、自社の状況が客観的にわからないまま、経営者によっては、過去の成功体験や方法論だけで経営を進めてしまう場合も出てきてしまいます。このような場合、早く数字を分析し、その次に何をしたら良いかを明確化するためにOBCの勘定奉行だけでなく、商奉行や蔵奉行といった基幹業務システムを提案し経営の正常化を行っています。
当所は経営正常化の支援策として、セミナーも開催しています。セミナー会場では、成功しているたくさんの経営者の方々とお会いできるので、参加者の方には、セミナーを通じて成功者の秘訣を受け取ってもらえたらと思っています。このような成功者の体験例から、さまざまなアドバイスがでるのも当社の強みです。当所のFP業務も、経営の正常化を行う業務のひとつです。企業防衛という観点から、経営者や従業員の方々が生命保険加入を検討した場合、あるいはリスクマネジメントとして損害保険に入るときなど、日本のほぼすべての保険会社を網羅している代理店という面を活かし、複数社から自社に合った商品を一緒に選んでいくという業務も行っています。
今後も経営全般に関わるあらゆる情報を提供
 今後、基本的な税務・会計業務については、品質にこだわりながら、ERPを導入した会計指導業務や電子申告、電子納税などに対応するだけでなく、経営に役立つあらゆる情報を提供していくことを、積極的に行ってまいります。
例えば、今年度の税制改革の中で注目の「事業承継税制の改革」や「中小企業承継円滑法」など、経営者の方々にとって有益な情報に関連するセミナーを開催していきます。さらに、税制・会計面だけでなく、法律事務所や社会保険労務士、弁理士などともネットワークを組み、さまざまな情報を提供しつつ、相談については適正な診断を行い、ダメなものはダメとはっきり言えるような信頼関係を築いていくつもりです。「これ、なんとかしてよ」と相談されたら、まずは適正的確な診断(=分析)を行い、「ここが悪いから、こうしましょう」と医者が患者さんに接するような処方(=提案)ができればと考えています。当事務所が経営の「町医者」となるには、信頼され何でも相談できる体制を作らなければなりません。通常の税務業務だけでなく、職員にも今まで以上に経営に関する勉強をし、経営者の方と一緒になって経営戦略を考えられるような人材を育てていくことが我々の使命だと考えております。
当所の理念として、「企業の健全な発展に役立つことを喜びとする」とあるように、企業が健全に発展していくお手伝いをするとともに、それに喜びを感じる職員が集まり、それを望む経営者の方々が集まってくるような事務所でありたいと思っています。
Vol.11
2008年秋号
このコーナーでは、OBCのASOS会員である会計士・税理士といった、企業と必ず接点のある職業会計人の方を、現在のトピックを交えながら紹介していきます。
田上敏明
所長・公認会計士・税理士
田上 敏明
(たうえとしあき)
田上敏明
社員・五科目合格者
高橋正志 正志
(たかはしまさし)
公認会計士 田上敏明事務所

●公認会計士 田上敏明事務所

東京都板橋区板橋3-6-17 SKT板橋ビル3F
TEL:03-5375-8714 FAX:03-5375-8718
ホームページ:http://www.taue.jp/

1994年3月、公認会計士・税理士 田上敏明事務所を開設後、1996年10月に現住所に移転。職員14名(税理士2人、税理士有資格者2名)とともに、「顧客の健全な発展に尽くす事を喜びとする」を理念とし、会計指導、一般税務業務から、業績管理体制構築指導、各種経営セミナーの開催など、顧客の経営戦略の良きパートナーとして活動している。

●奉行EXPRESS 2008年秋号より