スペシャル・コラム
各分野のスペシャリストによるコラムをご紹介します。
 
株式公開入門
会社名:TFPビジネスソリューション株式会社
投稿者名:代表取締役社長・公認会計士 三嶋良英
株式公開の実際についてわかりやすく解説します。
 
株式公開とは?
本年(平成15年)4月には8,000円を割り込んだ日経平均株価も、9月9日現在では10,922円まで回復し、依然先行きは不透明なものの株式市場は活況を呈しています。これに対応して、IPO(新規株式公開)銘柄も本年の前半には初値が公募価格割れの銘柄が多く見られましたが、ここ数ヶ月は初値は公募価格を上回る銘柄がほとんど、という環境になってきました。ここでは、企業家の夢、と言ってもいい、「株式公開」とは何かについて見直してみたいと思います。
株式公開とは、会社の株式を証券市場に流通させ、一般の投資家が証券会社を通じてその株式を売買できるようにすることです。中堅・中小の未公開企業はオーナー(創業者)一族が株式のほとんどを所有しているケースがほとんどであり、その株式が取引をされることはあまりありません。このような未公開会社では、会社が事業拡大などで資金が必要な場合には、銀行などから借り入れを行なう以外に資金を調達する方法がありません。借りたお金は当然返済しなければなりませんので、借入額があまり大きくなってしまっては返済額が大きくなって資金繰りが大変苦しくなります。これでは会社の事業拡大や新規事業の立ち上げが困難になってしまいますので、返済しなくてよいお金、ということで株式により市場(社会)からお金を調達するわけです。これが株式公開です。