チームワークで不況を乗り切ろう!(2)

会社名
サイボウズ株式会社
投稿者名:代表取締役 青野 慶久
サイボウズ株式会社  代表取締役 青野 慶久
 
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〜チームワークをロジカルに考える〜


ロジカルチームワークについて

チームワークといえば、企業においてはまずは目標が天から降ってきて、人が集められ、全員で一致団結して、ということを思いがちですが、実際には夫婦やサークル活動など、目標を後から決めるチームもあります。
企業の中でも「何か新しいことをやれ!」と集められるチームは、まずは目的から考える場合も少なくはありません。
かつては、精神論が大きな部分を占めていたチームワークですが、日本人の気質の変化や仕事のスタイルの変化によって、気合と掛け声だけでは成果が出にくくなってきています。

もちろん私も一致団結の強さを否定するわけではありませんが、「ちょいデキ!」作者としては、莫大なエネルギーを割く気合の勝負ではなく、普通の人同士が集まってがんばって、一人ではできない大きな成果を出すほうが私にもあっていると思っています。

そこで私は、ロジカルチームワークという言葉を作って、自分が考えるチームワーク理論をちょっとだけ体系化しようと試みています。
ロジカルチームワークは、自分が幸せになるために活動すれば、結果として組織のパワーが相乗的に高まるための意思を持った自立した人の考えるチームワーク論です。
今のビジネスマンは、自分のやりたいことしかやりません。実は私自身もそうです。
ですが、会社の中でわがまま放題にしていてもそれが自分の幸せにつながらないことはよく知っていますから、個人の自己実現と、チームの目標達成を同時に実現してゆくように努力しています。
なぜなら、強いチームとは、自分で考えられる人の集団であり、人の成長なくして企業の成長もまたないからだと思っているからです。

そして、個を大切にする視点と並んで、もうひとつ大切なのが、報酬です。
ミッションを達成したときの報酬はお金だけではなく、メンバーの達成感や成長の場合も多いです。
その場合、報酬としてのゴールは、共有だけではなく心から共感できる状態にまでもってゆかなければいけないでしょう。

リゾート再生のカリスマに学ぶチームワーク

サイボウズ株式会社  代表取締役 青野 慶久チームメンバーに対して、ゴールへの共感を呼ぶ手法で、飛躍的な業績拡大を成し遂げている会社に星野リゾートさんがあります。
社長の星野佳路氏は、1991年に家業の星野旅館を継いで以来、自社の再生を手始めに、2001年リゾナーレ、2003年アルツ磐梯リゾート、2004年アルファリゾート・トマムと次々と傘下に収め、山代温泉白銀屋・伊東温泉いづみ荘などの運営を開始して、リゾート再生のカリスマと呼ばれている大変尊敬する経営者です。

破綻したリゾート施設を3年以内にすべて黒字化へと導くその凄腕からは強烈な豪腕を感じさせるのですが、実際にお会いした星野社長の印象は、むしろ私よりずっと控えめで、物静かな感じの方でした。
今では1200人を超える従業員を抱える大企業に成長したわけですが、急激に大きくなった組織でも変わらぬ急成長を成し遂げるツールのひとつとして、サイボウズのグループウェアが役立っています。

星野リゾートの企業ビジョンは「リゾート運営の達人」です。
そのために「顧客満足」「収益」「環境」という三つの指標を同時に達成する仕組みづくりに取り組んでいらっしゃいます。
その指標は数値化され、全国のリゾート地や旅館に散らばったメンバーがサイボウズのグループウェアで確認して、常に共有、PDCAのプロセスをまわしているそうです。

ここまでなら、数値目標ですからよくミッションを理解している自社の社員なら共有が可能です。
しかし、再生先企業の社員の方が、最初からこんな指標を出されても、それを理解するのは難しいでしょう。

再生先では、徹底したマーケットリサーチを元に勝ち残りのエリアを見つけ、それをわかりやすい「コンセプト」の形にして、共有しているそうです。その話し合いでは、星野社長は数値を示して、参考になる資料は提供しますが、議論は再生先の社員に任せて、自分は結論に至るまでじっと聞いているだけだそうです。

私はせっかちなので、ついつい口を出してしまうほうですが、それでもやる気は自分の中からしかでないことを知っているので、なるべく無理強いすることはしないようにしています。
直接会話する役員はともかく、ほかのメンバーとは顔を合わせる機会もそう多くはないので、私の場合どうしてもグループウェアの議論が中心になりますが、一日に1時間、グループウェアの時間を自分で作って、その間はなるべく多くの議論を読んで指示ではなく、自分が大切に思っていることをコメントで返すようにしています。

急成長を支える「マタサブロー」さん

星野リゾートさんでも社員の方は全国の拠点に散らばっているために、サイボウズを駆使してビジョンや情報の共有、日常のコミュニケーションを行っていらっしゃいます。

ところで、このイントラネットには、「マタサブロー」という名前がついているそうです。
この名前は、星野社長の祖父の世代から働いてきて73歳で引退した番頭さんのような総務の人のお名前だそうです。

総務の仕事の大半、つまり会社の情報をコントロールする仕事の大半をグループウェアが引き継いだため、この称号を送られたとのこと。
プロ同士が連携し、どこよりも速いスピードで数々の企業再生を成しえてゆくためにサイボウズが役立っているのは、とてもうれしいと同時に、負けていられないと、私も気持ちを新たにしています。


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