会社を元気にする「見える化」とは?(4)
会社名:株式会社プログレスパートナーズ
投稿者名:執行役員 ディレクター 坂口兼一
〜元気になる「見える化」って何だ?〜
   
 
今こそ戦略会計を実施するとき!その必要性とは?

活力のある会社は、従業員の皆さんに元気がある。誰から指示される訳でもなく、自発的に担当する業務の目標・目的達成のために、関係部門との調整や上長との協議を進めていく、そうした事業遂行環境が整うことが経営者の皆さんの願いでもあるでしょう。これを「見える化」と関連付けて考えてみると、事実を単に事実として伝えるのではなく、次のアクションを喚起するような報告されることが望ましいと考えます。

図4

図4は棚卸資産管理における次のアクションを喚起するような報告のイメージです。
左の二つの棒グラフは、棚卸資産残高の実績を報告したものです。勘定別残高や部品材料の種類別残高の報告はどの会社でも一般的に行なわれているでしょう。しかし、この報告は事実を単に事実として報告しているだけで、課題指摘や次のアクションを喚起することはありません。

それに対して右の二つの棒グラフは、在庫の状態を報告しています。生産計画に基づく在庫所要量に対して、それぞれの部品材料がどれほどの量的水準にあるのかという報告があると、部品材料の在庫管理責任者は発生してしまった滞留資産の処分方法について上長と相談したり、多すぎる部品を適正な水準まで減らすために発注担当者や生産計画担当者と協議を行なう等、次のアクションにつながるスピードが速くなります。
これを私たちは『問題指摘型の報告』と読んでいます。

第三回の『目標の現場へのブレークダウン』でお知らせしたように、指標と現場作業の連動性が担当者レベルで理解できていると、上記のような報告が関係部門に届いた時点で活気のある議論が始まるのは間違いないと思います。
棚卸資産管理だけでなく、事業の特性に応じて設定した重要管理指標についても同様の「見える化」環境を実現し、元気な会社にしましょう。