新卒採用にかかる費用は天井しらず。(3) 【最終号】
会社名:株式会社ビジャスト
投稿者名:代表取締役社長 西野 裕
〜「新卒一人あたりの採用コスト」は200万円が相場!?〜
 
「新卒一人あたりの採用コスト」は200万円が相場!?

それでは、そのような地方企業がどれくらいあるのでしょうか?
下のデータは、総務省が平成13年に調査した都市圏の別の企業数です。大都市圏には65.3%の企業が
集中しています。したがって、他の地域の企業は35%ぐらいを占めるということになります。


総務省
平成13年度事業所・企業統計調査 全国結果 会社企業に関する集計
第17表 企業産業(大分類)、企業累計(2区分)別企業数より抜粋

だんだん話しがフクザツになってきました。整理すると、

本当にこの企業全てが積極的に採用活動をしているのか?
33%の企業は採用活動をしていない。
都市圏と地方の企業の地域格差が反映されているのか?
35%の企業は地方で、もともと採用コストが低い。

これらの企業数には重複もあると思いますが、少なくとも50〜60%の企業は、
もともと採用コストがかからない企業であることが推測されます。
この2点を頭にいれて、もう一度先ほどのデータを見てみると、
赤丸でかこんだところに分布する企業は、もともと採用コストがかからない企業かもしれません。


エンジャパン 新卒採用総予算額(企業規模別)/一人当たりの採用コスト(業種別)
2008年度・企業動向2008年度企業採用活動動向
これでだんだん「新卒一人あたりの採用コスト」が浮き彫りになってきました。
長い道のりですみません。それぐらい世間では、「新卒一人あたりの採用コスト」についてブラックボックスなのです。

結論としては、実際に本気で新卒採用に取り組んでいる企業の「新卒一人あたりの採用コスト」は、
50万円から200万円以上ではないかということです。

要は、「新卒一人あたりの採用コスト」が50万円であれば、最優秀な採用活動であり、
100〜200万円のコストがかかっているとすれば、どこかに採用活動のムダが発生している可能性があるということです。

しかし、100〜200万円の採用コストがかかっていても必ずしも、採用活動にムダがあると言い切れない点もあります。
それは「業種間の採用コスト格差」です。



次のデータを見てください。
16業種に分類して集計した「新卒一人あたりの採用コスト」です。
官公庁は80%が30万円以下の「新卒一人あたりの採用コスト」。いまだ、公務員人気衰えずといったところでしょうか。

驚くのは、住宅メーカーの「新卒一人当たりの採用コスト」です。
なんと8.3%、12社に1社は「新卒一人あたりの採用コスト」が200万円以上なのです。
住宅業界が学生にとって不人気業種とはいえ、これだけの採用コストがかかっていることは経営上の大きなコスト負担である ことは間違いありません。
情報・通信業会(IT業界)は慢性的なSE不足であり、採用需要は旺盛ですが反面、採用投資にはあまり積極でないこともわか ります。さらに流通・小売業界も、学生の不人気業種といわれる業種のひとつですが、やはり採用投資に前向きではいことがデータから読み取ることができます。

エンジャパン 新卒採用総予算額(企業規模別)/一人当たりの採用コスト(業種別)
2008年度・企業動向2008年度企業採用活動動向

みなさんは、採用する立場にいらっしゃるのでわが社の業種が利用しやすい業務なのか、採用しにくい業種なのかは、肌で感じている と思いますが、実際には業種によって人材を採用する難易度は大きく違います。採用の難易度は、そのまま採用コストに直結します。
恐ろしいコストですね。しかも、これだけのコストをかけて採用して1ヶ月で辞められてしまっては、本当のムダ金になってしまいます。
これが「採用は投資である」といわれる所以です。



さて、それでは御社の一人あたりの採用コストはいったいどれぐらいなのでしょうか。
下の表は、新卒一人あたり採用コスト簡易セルフチェックシートです。
このレポートを読んでいただいている経営者様にとって、この数値は把握しておくことはとても重要ですので、
ぜひトライアルしていただければと思います。
実際には、これ以外の様々なコストがかかっていますが、概算として自社の採用コストを知るためには、十分ではないかと思います。



下の表は、業種ごとに「新卒一人あたりの採用コスト」のばらつき(標準偏差)を求めたものです。
グリーンの帯が長い業種ほど、同じ業種の中でも企業によって、採用コストに対する考え方に幅があるということです。
計算した御社の「新卒一人あたりの採用コスト」を照らし合わせてみてください。帯の真ん中が平均値ですので、
同じ業界のなかで自社は採用コストをかけている企業なのか、かけていない企業なのかを知る目安になると思います。





2003年以前にはどの業種の企業も、50〜70万円程度の採用コストで新卒採用はできていました。
この時期は就職氷河期で、募集コストにお金をかけなくても学生を採用することは比較的容易な時期でした。
しかし、ここ数年で新卒採用の状況は超・売り手市場に激変しました。
その結果、新卒一人あたりの採用コストは100万円前後になっています。

さて、こんな状況の新卒採用マーケットですが、以前のように50〜70万円では採用できないのでしょうか。
実は、ビジャストでご提供している新卒採用コンサルティングサービスは、現在でも新卒一人当たりの採用コストは、
50〜70万円で実施しています。
しかも、07採用以来採用実績は100%を継続しています。
なぜ、こんな採用コストで採用ができるのか?
この理由については、次回のレポート(2008年)で詳しくご紹介したいと思います。



【株式会社ビジャスト 〜コラム編集後記〜】 

〜業種によってこんなに違う「採用コスト」〜

新卒採用コストにスポットライトを当ててお伝えしてまいりました、スペシャリスト コラムでしたが、今回が最終号となります。
『新卒一人あたりの採用コスト』が高いのか、安いのか?そのようなご質問を いただき調査を進め、コラムを執筆いたしました。私自身ある程度分かってはいる部分でしたが、このように数字を基に資料を作成していく中で、再発見する部分も多く非常に勉強になり、人材採用の奥の深さに改めて感心させられた 次第でございます。

最後になりますが、御社業界の平均獲得費用を知っていただきたいと思い、業界別の平均採用コストについてご報告させていただければと思います。今後も採用のプロフェッショナルとして、現場の第一線の情報を皆様にお伝えできればと思いますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。

人材採用マーケティングに新しい常識!!
株式会社ビジャスト 代表 西野のスペシャリストコラム
(全3回)

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